栄養のプロといわれる管理栄養士ですが、普段どんなものを食べているの?と、興味をもたれることがよくあります。

「毎食カロリー計算をして、栄養バランスの整った食事をとっています」と言えればいいのですが、実はそんなことはありません…。

つい食べすぎて胃もたれしたり、野菜不足で口内炎になってしまったり、栄養の知識があっても、毎日の食事を完璧に整えるのは難しいものです。

でも、食事のとり方が健康に大きく影響することは、長年の栄養指導で実感しているので、普段の食生活でいくつか気をつけているポイントがあります。
このポイントを守っていれば、大きく栄養バランスが崩れることなく、体重が急に増えたりすることもありません。

今回は、管理栄養士である私が、健康のために普段の食事で気をつけていることを5つにまとめて解説します。
食生活を改善してより健康になりたい方、家族のためにもっと栄養を考えた食事を作りたいと思っている方は、ぜひ参考にしてみて下さいね。

管理栄養士が普段の食生活で気をつけている5つのこと

1、旬の野菜、果物を食べる

野菜と果物は、「旬」のものを中心に食べるようにしています。
これは、5つの中で一番大切にしていることです。

以前は、緑黄色野菜と淡色野菜のバランスや過不足のないようにと選んでいましたが、家庭菜園で野菜を作るようになってから、旬を強く意識するようになりました。

同じキュウリでも旬の夏に採れたものと、それ以外の時期のものでは、味と食感が全く違います
暑い日にキュウリをかじると、爽やかで体がリフレッシュしますが、冬に食べると「体が冷えてあまりおいしく感じません」。

旬の野菜や果物は、自然のエネルギーを蓄え、その季節に私たちが必要とする栄養がたっぷりと含まれているから、よりおいしく感じるのです。

旬の時期はおいしいだけでなく栄養価も高い!

多くの食材で、旬の時期はそうでない時期に比べて、栄養価が高くなります
冬が旬のほうれんそうでは、ビタミンC量は100gあたり冬採りで60㎎、夏採りで20㎎となります。(日本食品標準成分表2015年版(七訂)より)
冬採りのほうれんそうは、夏採りと比べて3倍ものビタミンCが含まれます。

2、毎日1杯のみそ汁を食べる

子供のころから、毎日1杯のみそ汁が習慣になっているので、食べないと落ち着きません。
忙しいときでも、旬の野菜や豆腐、卵などを入れた具だくさんのみそ汁とご飯があれば、栄養バランスの良い食事をとることができます。

気分が落ち込んだり、イライラするときでも、みそ汁の香りをかぐとほっとするのは、だしの香りに情緒を安定させる効果があるからといわれています。

みそ汁の塩分は実は高くない

味噌の塩分が気になって、みそ汁をあまり食べないという方もいますよね。
でも、みそ汁1杯の塩分は1.2g程度で、1日に1杯ならそんなに心配する必要はありません。

野菜をたっぷり入れれば、野菜のカリウムが塩分を体外に出してくれる作用があるので、さらに安心して食べられます。
味噌には、大豆たんぱくや大豆イソフラボンなどの栄養素や発酵食品として腸内環境を整える効果もあります。

塩分のために食べないのは、もったいないことです。

3、発酵食品でお腹の調子を整える

ヨーグルト、甘酒、納豆、漬物、酢など、発酵食品をほぼ毎日食べています。
便秘に悩まされていたころに、ヨーグルトメーカーを購入して、ヨーグルトと甘酒を作って食べはじめたら、便秘がスッキリ解消されて、お肌の調子まで良くなりました。

夏にはキュウリやナスのぬか漬けを食べたり、もろみ酢を飲んだりすると、疲れがとれて元気が出てきます。

腸は第二の脳

腸は、「第二の脳」ともいわれるほど重要なはたらきをしている臓器です。
腸内環境の良し悪しが健康を左右するとされ、たとえば、アレルギー疾患の花粉症やアトピー性皮膚炎、肥満症や糖尿病などの病気と腸内細菌が関係しているという研究報告もあります。

たかが便秘と放っておかずに、発酵食品をしっかり食べて、早めに改善するようにしましょう。

4、基本調味料にこだわる

毎日の料理に使う基本調味料の砂糖、塩、酢、しょうゆ、味噌。これらは、昔ながらの製法で作られた、添加物の少ないものをこだわって選んでいます。

安全への配慮もありますが、いい調味料を使うと、少量でもおいしく仕上がり、減塩にもなるからです。
凝った料理を作らなくても、旬の青菜をサッと湯がいてしぼり、しょうゆをかけるだけで、ちょっとした料理屋さんにも負けないほどのおいしい小鉢ができあがります。

毎年冬に仕込む手前味噌

5~6年前から、味噌を手づくりしています。
真冬の2月に仕込めば、秋には、熟成された手前味噌が食べられます。味噌づくりは難しいと思われがちですが、そんなことはありません。材料は、大豆、麹、塩のみ。
大豆をゆでてつぶし、麹、塩と混ぜるというシンプルな作り方です。

あとは、麹菌の力で発酵するのを待つだけ。手前味噌を食べると、その味わい深いおいしさにはまり、毎年作らずにはいられなくなります。
機会があれば、ぜひ手前味噌づくりにチャレンジしてみて下さいね。

5、おやつはがまんせず、午後3時~4時に食べる

甘いものが大好きなので、おやつをがまんするとストレスがたまります。
でも、無制限に食べていたら、当然太ってしまうので、食べる時間と量は気をつけています。

新しい栄養学である「時間栄養学」によると、午後3時~4時は、食べたものがエネルギーとして代謝されやすく、太りにくい時間帯です。その理論を利用して、おやつは午後3時ごろに食べるようにしています。

市販のお菓子に加えて、ナッツ類やドライフルーツを食べることが多いです。袋からそのままだと食べすぎるので、小皿に取り分けて、ゆっくり味わっていただきます。

いいおやつを選んで楽しもう

おやつは時間と量を決めるだけでなく、選び方もとても大切。食事だけでは足りない栄養がとれるものをおやつにするのが理想です。
おすすめは、旬の果物、チーズやヨーグルトなどの乳製品、プルーンやレーズンなどのドライフルーツ、アーモンドやクルミなどのナッツ類です。

これらの食品からは、ビタミンC、カルシウム、鉄、食物繊維とマグネシウムといった栄養素をとることができます。

実録!管理栄養士の食事(朝食・昼食・間食・夕食)

普段の食生活で気をつけている5つのポイントは、今日からでもすぐに始められるものばかりです。
今まで、いろいろな食べ方を試してきましたが、続かないことや健康効果を感じないことが多くありました。今は、この5つを守ることで、ストレスなく食生活を整えられ、安心して食事を楽しんでいます。

実際に私が普段どんな食事をしているのか、ある一日の食事内容です。

朝食

まず、朝起きたらお湯を沸かして温かいお茶を飲みます。
「朝茶はその日の難逃れ」ということわざがあるように、朝に飲むお茶は「体が温まりすっきりとした目覚めやお通じ」につながります。
今朝は、オーガニックルイボスティ。
抗酸化力が高く、美容に良いお茶です。

朝茶でお腹が温まったら、甘酒ヨーグルトを食べます。
冬は少し温めると食べやすいです。
夏はバナナを入れたり、豆乳を加えてミキサーにかけてスムージーにしたり、季節に合わせてアレンジします。

朝食は、甘酒ヨーグルトと果物だけにすることが多いですが、食べ足りないときは、前日の残りのみそ汁やスープを飲みます。
もうちょっと食べたいときは、おにぎりかパンを少し食べます。

起きたときのお腹の空き具合で、朝食の量は加減しています。
前夜に食べすぎて少しもたれているときはお茶だけにしたり、朝から食欲があるときは、おにぎりまでしっかり食べたりと、自分のお腹と相談して食べています。

昼食

午前中は、家事や買いものを手早く済ませてから、パソコンに向かい仕事をするので大忙しです。
お昼になると、腹時計がグーっと鳴って、昼食タイムを教えてくれます。

昼食は、納豆ごはんと家族のお弁当や前夜のおかずの残り、作りおきのおそうざいなどを食べることが多いです。
そばやうどんで簡単に済ますときもあります。

作りおきは、週末にまとめて3~4品作ります。
お弁当や晩ごはんにも使えるので、あると便利で安心できます。
野菜や芋類、乾物の豆や海藻類のおそうざいがあれば、不足しやすい栄養を補えます。

間食

午後3時ごろ、コーヒーか紅茶を入れて、おやつ休憩をとります。
クッキーやチョコレートなど甘いものを少しと、ドライフルーツやナッツを食べるのが定番です。

夕食

夕食は、家族でその日にあったことを話しながら食べる楽しい時間です。
主食のご飯は少なめにして、肉や魚、豆腐など、たんぱく質のおかずをしっかり食べるようにしています。

毎日の食事は、ご飯、主菜、副菜、漬物といった和食献立がほとんどです。
ごちそうは特別な日のお楽しみにして、普段は粗食が基本です。

まとめ

管理栄養士が普段の食事で気をつけているポイントと、実際の食事内容を紹介しましたが、意外と真似をするのは難しくないものではないでしょうか?

[管理栄養士が普段の食生活で気をつけている5つのこと]

1、旬の野菜、果物を食べる
2、毎日1杯のみそ汁を食べる
3、発酵食品でお腹の調子を整える
4、基本調味料にこだわる
5、おやつはがまんせず、午後3時~4時に食べる

食べることは、ただ栄養をとるだけでなく人生の大きな楽しみです。
健康のためとストイックになりすぎては、食べる楽しみが半減してしまいます。
でも、欲求のままに好きなものばかり食べていては、肥満や生活習慣病になってしまうかもしれません。

今回、紹介した5つのポイントを参考に、あなたの食習慣を見直して、食べ方のマイルールを作ってみて下さいね。
健康を守りながら、おいしく食べられる喜びを満喫しましょう。

参考URL

文部科学省「食品成分データベース」
https://fooddb.mext.go.jp/whats.html

みつばち健康科学研究所「病気の根源は腸内細菌にあり」
https://www.bee-lab.jp/interview/benno/01.html