フルーツはヘルシーなイメージがありますが、「果糖」という糖類がたくさん含まれていて、肥満の原因になるといわれているのを聞いたことがありませんか?

また、果糖は、「血糖値が上がりにくい糖なので健康にいい」とする情報もあり、どちらが本当なのか疑問に感じている方も多いでしょう。

そこで、今回は、果物の甘味成分である「果糖」に注目して、特徴を解説したうえで、「本当に太りやすいのか?それとも健康にいいのか?」を検証します。

また、ダイエット中にフルーツを食べるメリットとデメリット、フルーツを食べられない時は果物ジュースで代用できるかなどについても説明します。

フルーツの甘みのもと「果糖」4つの特徴

フルーツに含まれる糖類の約60%が「果糖」、残りの約40%が「ショ糖」です。(日本食品標準成分表2015年版(七訂)より)

ショ糖は砂糖にも含まれる糖類で、「血糖値を上げる作用があり、過剰に摂った分は中性脂肪」になります。

一方の果糖は「血糖値を上げる作用が無いため、肥満に影響しづらい」といわれていますので、「果糖」の特徴をくわしく紹介します。

1. 果糖は消化・吸収が早いので、すぐエネルギーになる

果糖は、別名「フルクトース」とも呼ばれる最小単位の糖質(単糖類)です。
ショ糖(スクロース)は、果糖とブドウ糖が1対1で結合した二糖類です。

簡単なイメージ的には

果糖:□
ショ糖:□+■

単糖類である果糖は、「消化吸収にあまり時間を必要とせず、すぐに小腸から吸収され、エネルギーとして利用」されます。

2. 果糖は血糖値の上昇に影響しづらい

小腸から吸収された果糖は、門脈を通って肝臓へ運ばれ、「フルクトキナーゼ」という酵素の作用で代謝されます。
その後、エネルギーとして利用されたり、グリコーゲンとして貯蔵されたりします。

フルクトキナーゼは、インスリンの影響を受けずに、果糖をすばやく代謝するため、血糖値の上昇は抑えられます。
しかし、一部はブドウ糖に変換されるため、全く上昇しないわけではなく、ショ糖と比べると影響が少なくなります。

3. 果糖は甘みが強いが、カロリーは他の糖と同じ

果糖は、糖類のなかで「最も甘みが強く、砂糖の約1.2~1.7倍の甘さ」を感じます。

でも、甘みが強いからといって、エネルギーが高いわけではなく、他の糖類と同じ「1gあたり4kcal」のエネルギー源となります。
つまり、甘い果物だから高エネルギーで太りやすいということはありません

4. 果糖は摂りすぎると中性脂肪が増えるが、適量なら問題なし

果糖は過剰にとると、肝臓で中性脂肪に合成され、肥満をひき起こします。

ある動物実験では、総摂取エネルギーの20%を果糖で摂取すると中性脂肪が増えたという報告があります。

しかし、この量は人間に置き換えると、みかん50個以上を毎日食べることになります。
「健康のために推奨されている毎日200gの果物を摂っている限りでは、そんなに心配しなくてもいい」でしょう。

フツーツの栄養素に注目!含まれる成分と健康効果とは?

フルーツは、果糖などの糖類の存在により、ダイエット中は敬遠されやすいですが、健康や美容に役立つ栄養素が豊富で、高い効果が期待できます。
続いては、フルーツにはどのような栄養素が含まれていて、どんな効果が期待できるのかをみていきましょう。

◆ビタミン類

果物といえば、ビタミンCが代表的な栄養成分です。
ビタミンCには、抗酸化作用があり、有害な活性酸素から体を守る働きにより、動脈硬化や心疾患の予防が期待できます。さらに、コラーゲンを生成して、肌の健康を保ったり、鉄の吸収を良くしたりします。

ほかには、疲労回復効果や代謝を高める効果のあるビタミンB群、目の健康を保つ効果のあるビタミンA、動脈硬化など生活習慣病を予防する効果が期待できるビタミンEなど、さまざま効果のあるビタミン類を果物から摂ることができます。

◆ミネラル類

果物に含まれるミネラル類の代表は、カリウムです。
体内の余分なナトリウムの排泄を促がすことで、高血圧や脳卒中などの脳血管疾患を予防する効果が期待できます。

◆食物繊維

果物には、水に溶けにくい不溶性食物繊維と水に溶けやすい水溶性食物繊維の両方が含まれていて、便秘の予防、解消に効果的です。
さらにコレステロール値や血糖値の上昇を抑える効果も期待できます。

◆有機酸

果物の爽やかな酸味のもとは、クエン酸、リンゴ酸などの有機酸です。
疲労回復効果や貧血の予防効果などがあります。

◆ポリフェノール類

果物の色や苦みなどの成分で、フラボノイド類やカテキン類などに代表されるポリフェノールが豊富に含まれています。
有害な活性酸素を除去し、生活習慣病等の予防やアンチエイジング効果に優れています。

ダイエットに向いている?向いていない?フツーツを食べるメリット&デメリット

フルーツには、豊富な栄養素が含まれており、健康増進や疾病予防、アンチエイジングなどに役立ちます。
では、ダイエット中はフルーツを食べた方がいいのか、控えるべきか、フルーツを食べるメリットとデメリットを説明します。

果物を食べる3つのメリット

1. ボリュームのわりに低カロリーなので満足感が得られる

フツーツは、水分と食物繊維が豊富なうえに、脂質がほとんど含まれていないので、ボリュームのわりに低カロリーです。

たとえば、グレープフルーツ1個(210g)あたりのカロリーは約80kcal程度。
ショートケーキ1/4個分のカロリーでグレープフルーツをまるごと1個食べることが出来るので、ダイエット中の間食にすれば、十分な満足感が得られます。

2. ダイエット中に不足しがちな栄養素を効率的に摂れる

ダイエット中は食事量の制限があるので、栄養素のバランスが崩れやすくなります。

フルーツは、エネルギー当たりのビタミンCやカリウム、食物繊維などの含有量が多いため、不足しやすい栄養素を効率的に摂ることができます。

また、甘いものが食べたくなった時でも、フルーツを冷やして食べれば、果糖の甘みがより強く感じられるので、少ない量でも十分な甘みを得られます。

3. 他の甘いものに比べて、血糖値上昇が少ないので、太りにくい

フルーツの糖類は半分以上が果糖なので、砂糖を使った洋菓子や和菓子などと比べると、急激な血糖値の上昇を抑えられます。

血糖値を下げるために分泌されるインスリンは、血液中の糖を脂肪に変えて体に蓄える働きがあります。
血糖値の上昇が緩やかであれば、インスリンの分泌も抑えられるため、太りにくくなります。

果物を食べる2つのデメリット

1. 果糖など糖類を摂りすぎると中性脂肪がつきやすい

前述したように、果物を食べすぎると果糖などの糖類が肝臓で中性脂肪に合成されます。
果物は、適量(1日あたり200g程度)を食べていれば、メリットが多いですが、糖質量の多い果物を過剰に食べ続けると肥満になりやすいデメリットがあります。

2. 手間とお金がかかる

果物は、種類によっては、皮をむいたり切ったりする手間がかかったり、価格が高かったりするため、手軽さに欠けるというデメリットがあります。

【結論】フルーツは適量ならダイエットと相性が良い

フルーツを食べるメリットとデメリットを比較したところ、「フルーツは食べすぎなければ、太りやすくなることはなく、むしろダイエット中に不足しやすい栄養素が摂れるので、積極的に食べたほうが良い」とわかりました。

100%フルーツジュースは果物の代わりになるのか?1日に飲む量の目安

フルーツがダイエットに良くても、毎日食べるのは手間とお金がかかって大変という方も多いでしょう。

そこで、果物の代わりに、市販の100%フルーツジュースを飲めば、ダイエットに活用できるのか?果物を食べる場合との違いや、1日に飲む量の目安をみていきましょう。

100%果物ジュースと生の果物の違い

フルーツはジュースにすると食物繊維の大半が取り除かれてしまうため、同じ分量でも糖質を多く含むことになります。

そのため、100%フルーツジュースをたくさん飲むと、血糖値が上がりやすくなり、かえって太りやすくなります。

栄養面では、ジュースに加工する際、加熱処理が行われるため、熱に弱い水溶性のビタミンCが減少していることが多いです。
ジュースでも、熱に強い脂溶性ビタミンやミネラルは摂れますが、ビタミンCは、あとから添加されていない限り摂れません。

果物の代わりにフルーツジュースを摂る場合は、食物繊維やビタミンCが添加されたものを選び、血糖値の上昇を抑えるために、空腹時を避け、食事中や食後に飲むようにしましょう。

1日に飲む量の目安は?(お茶や水代わりにしてもいいの?)

一般的な糖質制限では、1日の糖質摂取量を70gから100g程度に抑えます。
100%果物ジュースは、100gあたり糖質20gから25g程度になります。

この基準でいうと、100%果物ジュースは1日あたり100ml程度が適量といえます。

果物ジュースは、飲み過ぎると糖質過剰になりますので、お茶や水代わりにするのはやめましょう。

[100%果物ジュースのエネルギーと炭水化物(糖質)量]

種類(200ml) エネルギー 炭水化物(糖質)
オレンジ 92kcal 21.5g
アップル 89kcal 22.2g
グレープ 96kcal 23.9g
フルーツミックス 100kcal 24.6g

(森永乳業サンキスト栄養成分表示より)

ダイエット中はどんな果物を食べればいいの?

ダイエット中は、なるべく糖質量の少ない果物を選んで食べるようにしましょう。
果物を選ぶ参考に、糖質量の少ない果物と多い果物をご覧ください。

おすすめ!糖質量の少ない果物

グレープフルーツ、オレンジ、夏みかんなどのかんきつ類、イチゴ、ラズベリー、ブルーベリーなどのベリー類、グアバ、パパイヤ、アセロラ、桃、びわなど。

控えめに!糖質量の多い果物

バナナ、マンゴー、ブドウ、アメリカンチェリー、ザクロ、ライチなど。

まとめ

果物に含まれる「果糖」は、太りやすいのか、それとも健康にいいのかを検証した結果、摂取しすぎることは問題だが、適切な量(1日果物200g程度)なら、ダイエット中でも気にする必要はないとわかりました。

糖質制限などのダイエットを行っている時は、どんな糖類でも避けたくなりますが、果物からは、ビタミン類や食物繊維など、さまざまな栄養素が摂れるため、健康維持や美容効果アップのためにも、ぜひ積極的に食べるようにしましょう。

ダイエット中に甘い果物を食べることで、食欲を落ち着かせたり、他の食べ物の食べすぎを防いだりして、肥満予防に役立ちます。

果物の甘みのもとである果糖の特徴を理解したうえで、毎日の食生活に果物の栄養を上手にとり入れていきましょう。

参考URL

・e-ヘルスネット「果物」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-01-003.html

・毎日くだもの200グラム!「くだものと健康」
http://www.kudamono200.or.jp/health/health_03.html

・森永乳業「栄養成分表示」
https://www.morinagamilk.co.jp/products/eiyoseibun/

・参考書籍
日本食品標準成分表2015年版(七訂)