砂糖のとりすぎは、肥満や糖尿病、虫歯などの大きな原因です。
でも、甘党の人にとって甘いものをやめるのは難しいことですね。

そこで、砂糖以外の甘味料を使った飲み物やお菓子を選ぶ人が増えています。
甘味料は砂糖よりも低カロリー、またはカロリーゼロのものもあり、ダイエットを助ける強い味方です。

甘味料のおかげで甘いものをがまんせずに食べられるのは嬉しいものの、そもそも甘味料は健康にいいのか不安を抱く人も多いようです。

今回は、体にやさしくて健康にも良い甘味料はどれか?管理栄養士の目線で比べてみました。まず、甘味料とはどのようなものなのか、基礎知識から説明します。

甘味料とは

甘味料とは、食品に甘みをつけるために使われる調味料のこと。
最も代表的な甘味料といえば、砂糖ですが、それ以外にもたくさんの種類の甘味料があり、砂糖の代用として食品加工や疾病予防などに広く利用されています。

甘味料の種類

現在、流通している甘味料には大きく分けて、糖質系甘味料と、非糖質系甘味料という2種類があります。

糖質系甘味料

カロリーのある甘味料で栄養甘味料とも呼ばれます。
砂糖のほかブドウ糖、果糖といったでんぷん由来の糖や、オリゴ糖、乳糖といった糖、人工的に作られたエリスリトールやキシリトールといった糖アルコールがあります。

(1)砂糖

白砂糖、グラニュー糖、三温糖、きび砂糖、黒砂糖など

(2)でん粉由来の糖

ブドウ糖、果糖、麦芽糖、水あめ、異性化糖、イソマルトオリゴ糖、トレハロースなど

(3) その他の糖

フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ラフィノース、ラクトスクロース、乳糖、はちみつ、メープルシロップなど 

(4)糖アルコール

ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトールなど

非糖質系甘味料

カロリーゼロまたは低カロリー甘味料で非栄養甘味料とも呼ばれます。
植物の葉や果物などに含まれる甘味成分を抽出した天然甘味料と化学合成によって作られた合成甘味料にわけられます。

(1)天然甘味料

ステビア、甘草(グリチルリチン)、ラカンカなど

(2)合成甘味料

アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、サッカリン、サッカリンナトリウムなど

目的別の健康に良い甘味料5選

ひとくちに甘味料といっても、たくさんの種類があり、カロリーの有無・甘みの強さ・天然か人工か・高価か安価かなど、それぞれに特徴があります。

その中から、いったいどれを選べばいいのかわからない、という方のために、目的別におすすめの甘味料を5つ選びました。

ダイエットや糖尿病予防を目的とする方が多いと思いますが、虫歯予防と便秘解消に良い甘味料も合わせて紹介します。

ダイエット・糖尿病予防に

ダイエットで糖質を制限したり、糖尿病の予防や治療で血糖値の上昇を抑えるためには、糖質系甘味料の糖アルコールか非糖質系甘味料を選びましょう。

糖アルコールは、カロリーがあっても消化吸収されにくいため、低カロリー素材として使われます。
非糖質系甘味料は、カロリーゼロか低カロリーのため、糖質を制限するのに最適な甘味料です。   

エリスリトール(糖質系/糖アルコール)

健康効果/h5>
血糖値に影響を与えず、食後のインスリン放出も抑えられるため、糖尿病の方も安心して使えます。砂糖の代用にすれば、糖質制限が出来るので、ダイエットにも効果的。

カロリーの有無

カロリーはゼロ!
厚生労働省のエネルギー評価法によりエネルギー値が0kcal/gと認められている唯一の糖質です。

甘みの強さ

砂糖の75~80%ほどの甘みがあり、清涼感のあるすっきりとした後味。

原料]/h5>
キノコや果物、発酵食品に含まれている糖質やブドウ糖を原料に、酵素を作用させて作られています。

価格

甘味料の中では比較的安価。

その他の特徴]/h5>
・虫歯の原因になる酸を作らないので、虫歯になりにくい。

・下痢を起こしにくい。

※糖アルコールを多量摂取すると、一時的におなかが緩くなるので注意が必要だが、エリスリトールは緩下作用を起こしにくいのが特徴です。

市販製品名

パルスイート(味の素)

ラカンカ(非糖質系/天然甘味料)

健康効果

血糖値の上昇を抑制する働きがあり、低カロリーのためダイエット中や糖尿病予防に効果的

カロリーの有無

カロリーはほぼゼロ。
甘味成分であるテンペングルコシド配糖体は水溶性の食物繊維なので、腸で吸収されずに排出されてしまうため。

ただし、顆粒状のラカンカはショ糖など別の糖を加えて固めているものが多く、その場合はショ糖のカロリーが加わります。

甘みの強さ

果実は砂糖の300倍~400倍の甘みがありますが、甘味料としてのラカンカは、砂糖の50倍程度の甘みで、黒砂糖のような味。

原料

中国原産のウリ科の植物である羅漢果(ラカンカ)の果実から抽出、精製して作られています。

価格

羅漢果100%の製品は高価なため、他の甘味料と混ぜ合わせ価格を抑えたものが多い。

その他の特徴

・抗酸化力が強く、体内の活性酸素を抑えて、老化予防やがん、心疾患、アレルギー疾患などの疾病予防効果が期待できます。

・血管の健康を保つビタミンEと貧血を予防する鉄分を豊富に含んでいます。

市販製品名

ラカントS(サラヤ)※エリスリトールが主成分でラカンカと混合した甘味料)

むし歯予防に

甘味料はダイエットだけでなく、虫歯の予防にも効果的です。

砂糖をはじめとした糖質系甘味料はむし歯の原因になるものが多いですが、その中でもオリゴ糖と、糖アルコールはむし歯の原因になりにくいといわれています。

糖アルコールであるキシリトールは虫歯予防の代用甘味料として特定保健用食品にも使用されています。
なお、非糖質系甘味料もむし歯の原因になりません。

キシリトール(糖質系/糖アルコール)

健康効果

むし歯の原因となる「酸」を作らないうえに、歯の再石灰化をうながすため、むし歯の発生と進行を防いでくれます。
1980年以降、WHO(世界保健機構)でも、キシリトールは虫歯を防ぐと認められました。

カロリーの有無

砂糖と比べてカロリーが25%低い。

甘みの強さ

砂糖と同じくらいの甘み、砂糖に似たまろやかな味で清涼感があります。

原料

シラカバやカシなどの樹木や野菜、果物に含まれている天然由来の成分から作られます。

価格

キシリトール入りガムは、ほかのガムと同等の価格。

その他の特徴

・骨粗しょう症を予防する効果も。フィンランドの研究で歯だけでなく骨にも良い影響を与えることがわかりました。

・保湿効果が高く、化粧品にも利用されています。

市販製品名

キシリトールガム(ロッテ)、ポスカム(江崎グリコ)、リカルデント(キャドバリー・ジャパン)

腸内環境の改善・便秘解消に

お腹の調子が悪かったり、便秘がちな時にも、甘味料は役に立ちます。

糖質系甘味料のオリゴ糖が、腸内のビフィズス菌の栄養源となり、活性化の手助けをし腸内環境が整うためです。
ヨーグルトなど発酵食品と一緒にとると、より効果的です。

てんさい糖(糖質系/その他の糖)

健康効果

ラフィノースなどのオリゴ糖が腸内のビフィズス菌の栄養源となり、活性化の手助けをすることで、腸内環境を整える効果があります。

カロリーの有無

砂糖と同等のカロリー。

甘みの強さ

砂糖と同等の甘みがあるが、やや控えめに感じるすっきりとした風味。

原料

北海道など寒い地域で栽培されるてんさい(さとう大根)から作られます。

価格

砂糖の2~3倍程度の価格。

その他の特徴

・カリウム、カルシウム、リンなどさまざまなミネラルが含まれているため、料理用の砂糖をてんさい糖に変えるだけで、不足がちな微量ミネラルを補えます。

・砂糖は体を冷やす作用があるが、てんさい糖は体を温める作用があるため、冷え性の人に合う甘味料です。

市販製品名

てんさい糖(ホクレン)、北海道てんさいオリゴ(加藤美蜂園本舗)

乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)(糖質系/その他の糖)

健康効果

腸内のビフィズス菌を増やし、お腹の調子を整える効果。
難消化性糖質のラクトスクロースを主成分とするオリゴ糖で、特定保健用食品としても指定されています。

カロリーの有無

砂糖と比べて約半分のカロリー。

甘みの強さ

砂糖の80%ほどの甘みがあり、砂糖に近いクセのない味。

原料

牛乳に含まれる乳糖とサトウキビに含まれるショ糖を原料に、酵素反応を利用して作られています。

価格

甘味料の中では中間的な価格。

その他の特徴

・カルシウムの吸収を促進して骨密度を強化する作用があります。

・虫歯になりにくい効果も。

市販製品名

オリゴのおかげ(塩水港精糖)

人工甘味料は本当に危険なの?

甘味料はダイエットや糖尿病予防だけでなく、虫歯予防や腸内環境の改善などにも効果があり、利用価値が高いことがわかりました。

ただ、甘味料を利用する時に、安全性は大丈夫なのかが気になりますね
とくに、アスパルテームやスクラロースなどの人工甘味料は不安視されることが多いものです。
最後に、人工甘味料の安全性について説明します。

人工甘味料とは?

人工甘味料には、自然にある成分を人工的に作り出した糖アルコールと、自然に存在しない成分を人工的につくりだした合成甘味料の2種類があります。

どちらも、血糖値を上げることなく、ほとんどが吸収されずに排出されるため、糖尿病や糖質制限をしている方でもとれる甘みとして、よく利用されます。

糖アルコールは安全性に問題なし

糖アルコールは、もともと自然由来であるため、安全性は高く、安心して利用できる甘味料です。
ただし、過剰に摂取するとお腹がゆるくなりやすく下痢の原因になるので、気をつけましょう。

合成甘味料は多量になるとリスクあり

合成甘味料は、食品衛生法における指定添加物に該当します。
指定添加物とは、厚生労働省がその安全性を確認し、人の健康を損なうおそれのない場合に限って使用を認めたものです。

認可された添加物は、引き続き摂取量の調査などをして安全の確保がされているため、危険性は低いと考えられます。

ただし、一度に大量に摂取したり、長期にわたり摂取し続けた場合はリスクとなる場合もあります。
合成甘味料は血糖値に影響しないため、満足感が得られずたくさん摂りすぎる危険性があるので、その点は注意が必要です。

「甘み」と上手につきあっていきましょう

健康に良い甘味料について紹介をしました。

「甘み」はエネルギーの高い食べものが持つ味で、私たちが生きていくうえで、本能的に好む味です。
そのため、甘いものをがまんできないのは当然なのかもしれません。

砂糖の代わりに、代用甘味料を利用すれば、ダイエットや虫歯予防、便秘解消など健康度アップにつながります。

ただし、健康に良い甘味料でもとりすぎは禁物!野菜や果物から感じる優しい甘さなど甘味料以外のおいしさも楽しみながら、「甘み」と上手につきあっていきましょう。




参考URL

明治フードマテリア「甘味料(糖化製品)」
http://www.meijifm.co.jp/products/sweetener/index.html

三菱ケミカルフーズ「エリスリトール特長」
http://www.mfc.co.jp/product/tourui/erisuri/merit.html

わかさ生活「わかさの秘密 キシリトール」
http://www.wakasanohimitsu.jp/seibun/xylitol/

ホクレン「Q&Aてんさい糖って?」
http://www.tensaito.com/qa/

塩水港精糖「オリゴのおかげ商品・製品紹介」
http://www.oligo.jp/products/nyuka_oligo1.html

厚生労働省「食品添加物 概要」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/