料理をする時、野菜の皮はどうしていますか?
健康に良さそうだから食べた方がいいのかなと思いながらも、捨ててしまう方が多いのではないでしょうか。

実は、野菜の皮には、捨てるにはもったいない栄養とおいしさがギュッと詰まっています。
野菜の皮の栄養と気になる「安全性」と、野菜の皮で作る話題のおだし「ベジブロス」の作り方を紹介します。

野菜の皮は健康にいいのは本当?

野菜には、「ビタミン「「ミネラル」「食物繊維(しょくもつせんい)」など、私たちの健康づくりに欠かせない栄養が豊富に含まれています。

健康のために、野菜をたくさん食べるように心がけている方も多いですね。
では、「野菜の皮」には、どんな栄養があるのでしょうか?

野菜の皮の栄養

野菜の皮は、実の部分には無い栄養や、より多くのビタミン・ミネラルなどを含んでいます。
栄養素が多いということは、うまみもあり、味も濃くなります。

また、食物せんいが豊富なので、便秘や大腸がん予防など、腸の健康に役立ちます。
野菜の皮の栄養で、特に注目したいのは、抗酸化作用のある『ファイトケミカル』です。

ファイトケミカルとは

植物が、太陽の紫外線による酸化から身を守るために作り出した化学物質の総称です。
植物独特の「色「香り」「苦み」の成分で、野菜の皮に豊富に含まれています。

ファイトケミカルは強い抗酸化力を持つため、私たちが食べると、体を酸化(サビつき)から守ってくれます。
この抗酸化作用により、アンチエイジング効果やがん予防効果などが期待できます。

種類はとても多くありますが、有名なものだと、「大豆のイソフラボン」「ウコンのクルクミン」「トマトのリコピン」などがあります。

皮ごと食べる3つのメリット

健康効果以外にも、皮ごと食べるメリットが3つあります。

メリット① 調理時間を短縮できる

料理をする時に、意外と時間をとられるのが、野菜を切ることです。
野菜の皮をむく時間が無くなれば、その分時短になります。
忙しい時は、このちょっとした手間が無くなるだけでも、ずいぶん助かります。

メリット② 生ごみが減るので、地球環境に良い

野菜の皮を食べることで、家庭から出る生ごみの量が減ります。
生ごみは80%が水分なので、燃やすために多くの燃料が必要です。

燃やすことで、CO2も多く排出され、地球環境に負荷がかかります。
生ごみを減らすことは、地球環境を守ることに繋がります。

メリット③ 食費の節約ができる

今まで捨てていた野菜の皮でかきあげやきんぴらなど、もう1品おかずを作れば、その分の食費を節約できます。
ほんの少しのことですが、毎日の積み重ねは大きいですよ!

1番気になる農薬の問題は大丈夫?

野菜の皮に栄養がたくさんあるのはわかっても、農薬が残っていないか心配ですよね。
家族の健康を預かるうえで、食の安全はとても気になる問題です。

家庭菜園の野菜や無農薬野菜なら安心ですが、スーパーで買った野菜は大丈夫なのでしょうか?

農薬の残留基準とは

私たちが普段手にする野菜は、厚生労働省が定めた農薬の残留基準をクリアしたものです。
『農薬の残留基準』とは、食品中に含まれることが許される残留農薬の限度量のこと。

野菜などに残った農薬を⻑期間(⽣涯)にわたり摂取し続けても、健康への影響がない量とされています。

これは、野菜をまるごと洗う前の状態で、残っている農薬の量です。
野菜をよく洗ったり、下ごしらえをくふうすれば、皮に残る農薬はそこまで心配する必要はありません。

気になる残留農薬を落とす下ごしらえ

野菜を安全に食べるための下ごしらえのコツを5つご紹介します。

①流水にさらして洗う

農薬の多くは水溶性なので、流水でよく洗えば、ほぼ落とすことができます。

②こすり洗いをする

ごぼうや里芋など、土がついている野菜は、たわしで軽くこすり洗いをします。

③下ゆでをする

葉物野菜などは、さっと下ゆでして、ゆでたお湯を捨てれば、より安心です。

④外側の葉は捨てる

キャベツやレタスなどは外側の葉に農薬が残りやすいので、外葉1枚は捨てたほうが良いでしょう。

⑤酢や塩水につける

ボウルに酢や塩を少量入れて、野菜を1分ほどつけてから、流水で洗います。

安全な野菜を選ぶポイント

下ごしらえを工夫すれば、気になる農薬の心配は少なくなりますね。
では、スーパーなどで安全な野菜を選ぶ時のポイントも覚えておきましょう。

【1】国産の野菜を選ぶ

輸入野菜は、収穫後の貯蔵や輸送時間が長くなるので、防カビや防虫などの農薬が使用されます。
国産の野菜は、収穫後の農薬使用は禁止されているので、輸入野菜に比べて「残留農薬の量はかなり少なく」安全です。

【2】旬の野菜を選ぶ

旬の野菜は露地栽培のものが多く、生育が早いため、農薬の使用量が少なくてすみます。
「味がよい」「栄養価が高い」「価格が安い」のでとてもお得です。

皮ごとおいしいおすすめ野菜

皮ごと食べるとよりおいしい野菜や、皮の栄養効果が高い野菜を紹介しますね。

ごぼう

ごぼうの皮には『サポニン』というポリフェノール成分が含まれています。
サポニンには、脂肪の蓄積抑制、血流改善、免疫力アップ、アンチエイジング効果などがあります。

皮のあたりには、ごぼうのうまみと香りが集中しています。
植物性のたわしでひげ根を落とす程度に洗って、皮ごと調理しましょう。

大根

大根は皮の部分に、ビタミンCや食物せんいが豊富に含まれています。
ただ、皮は固いので、おでんなどの煮物にすると食感が悪くなります。

むいた皮を、きんぴらや漬物にしたり、干し大根にしても、おいしく食べられます。
辛みの少ない秋冬大根なら、皮つきで大根おろしにするのも良いでしょう。

かぼちゃ

かぼちゃの皮には、実の約2倍もの『β-カロテン』が含まれています。
β-カロテンは体内でビタミンAに変化して、皮膚、粘膜、目を丈夫にして、免疫力をアップする働きがあります。

また、抗酸化力を高める効果があるので、アンチエイジングやがん予防効果も期待できます。
皮の固い部分だけを包丁で切り落として、煮物やスープなどにすれば、皮もおいしく食べられます。

たまねぎ

たまねぎの皮には、『ケルセチン』というポリフェノール成分が豊富に含まれています。
ケルセチンは、血管を丈夫にして、高血圧を予防する働きをします。

ただ、皮をそのまま食べるのは食感が悪く苦みもあるので、煮だしてお茶として飲むのがおすすめです。
洗った玉ねぎの皮1個分を500ccの水で、10分ほど煮出すだけなので、簡単です。

人参

人参の皮は薄いので、出荷前の洗浄の時に、ほとんどむけてしまいます。
そのため、市販の土がついていない人参を買ってきたら、これ以上むく必要はありません。

人参の表面は、抗酸化作用のあるβ-カロテンが多い部分です。
むいてしまうのはもったいないので、きれいに洗って、黒ずみなどがあれば包丁でこそぎ落して、調理しましょう。

じゃがいも

じゃがいもの皮には、鉄分やカルシウム、カリウム、ビタミンB群などが含まれています。
じゃがいもの栄養素の約20%は皮にあります。

ただし、芽の部分や皮が緑色に変色した部分にはソラニンという毒性のある物質が含まれるので、必ず取り除いてから食べるようにして下さい。

栄養効果バツグン!野菜くずのおだし~ベジブロス~

『ベジブロス』って聞いたことはありますか?
皮だけでなく、ヘタや種などを、無駄なく使って、簡単に出来る野菜のおだしです。

野菜の皮に含まれるファイトケミカルは加熱すると、水に溶けだす性質があります。
野菜くずを煮だして作るベジブロスは、ファイトケミカルを効率的にとることができます。

ベジブロスの作り方

■材料(1リットル分)
野菜くず   両手いっぱい分
(野菜の皮やヘタ、種など)
水      1300ml
料理酒    小さじ1

■作り方
1、鍋に水と酒を入れ、野菜くずも入れる
2、弱火で20~30分ほどコトコト煮る
3、火をとめてザルなどでこしたらできあがり

植物性の優しい味なので、和洋中どんな料理にも合う万能だしです。
スープや煮物、炒めものなど、色々な料理に利用できます。

野菜くずがある時に、まとめて作っておくと、冷蔵庫で1週間ほど保存できます。
冷凍保存なら、2~3か月は持ちます。
ベジブロスを製氷皿に入れて凍らせておけば、少量のだしが必要な時にすぐ使えて便利です。

野菜は丸ごと感謝して食べよう

今まで、何気なく捨ててしまっていた野菜の皮。
その皮にこそ、濃いうまみがあり、高い栄養効果があることがわかりました。

野菜を皮ごと食べれば、生ごみを減らして、料理のレパートリーが増え、栄養もたっぷり摂れます。
自然の力と生産者さんの努力で実った野菜たち。
感謝の気持ちを忘れずに、まるごとおいしく食べ切るようにしたいですね。

参考URL
厚生労働省「食品衛生法における農薬の残留基準について」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000103770.pdf#search=%27%E9%A3%9F%E5%93%81%E8%A1%9B%E7%94%9F%E6%B3%95+%E6%AE%8B%E7%95%99%E8%BE%B2%E8%96%AC%E5%9F%BA%E6%BA%96%27

日本経済新聞「野菜くずがお宝に 栄養満載のだし「ベジブロス」」
http://style.nikkei.com/article/DGXMZO80445340T01C14A2000000