つい飲み過ぎてしまう大好きなお酒、健康のことも考えて飲んでいますか?

「酒は百薬の長」といわれるように、適量の飲酒が健康にいいことは、昔からよく知られています。
お酒を飲むとリラックスできてストレスが解消されたり、人間関係の潤滑油になったりと、たくさんのメリットがあります。

ただし、これはあくまでも適量を守ったときの話。
お酒の飲み過ぎは、人間関係を悪化させたり、適量を超える飲酒が習慣化すると、さまざまな病気の引き金となったりします。

お酒と健康のバランスを上手にとって、長く楽しめたらそれがいちばん!
そこで今回は、健康を考えたお酒の飲みかたを紹介します。

お酒と健康の関係

お酒はほどほどに、といいますが、「ほどほど」とはいったいどれくらいの量なのでしょうか?
それぞれの体質や体調によって「適量」は変わりますが、一般的なお酒の適量を説明します。

お酒の適量ってどれくらい?

厚生労働省「健康日本21」によると、健康な成人において「節度ある適度な飲酒」の量は、1日平均純アルコールで約20g程度とされます。

-成人男性1日当たりの適度な飲酒量の目安-

・ビール中瓶 1本まで   (純アルコール量:20g)
・チューハイ350ml 1缶まで(純アルコール量:20g)
・ワイングラス 2杯まで  (純アルコール量:23g)
・日本酒 1合まで     (純アルコール量:22g)
・ウイスキーダブル 1杯まで(純アルコール量:20g)

女性は、一般的に男性の6割程度が適量になります。
また、お酒に弱い人や65歳以上の人は、アルコール代謝能力が低いため、より少ない量が適当とされています。

普段飲んでいるお酒の量と比べていかがですか?たったこれだけしか飲めないの?!とがっかりした方が多いのではないでしょうか。
もし、適量を超えた飲酒を続けていくと、健康にどのような影響があるのかをみていきましょう。

飲み過ぎたらどうなる?あなたの肝臓は大丈夫?

お酒好きにとって気になる臓器といえば、「肝臓」。
日本人間ドック学会が発表したデータによると、人間ドック受診者の3人に1人は、肝機能の数値に異常がみられ、その数は年々増加しています。

肝臓は、「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、ダメージによる自覚症状を感じるまで時間がかかります。
そのため、病気の発見が遅れる危険性があるので、健康診断や人間ドックの血液検査の数値でしっかり健康チェックを行うことが大切です。

肝機能血液検査おもな項目と基準値(日本人間ドック学会)

基準範囲  要注意  異常
AST 30 以下   31~50 51以上(単位 U/L)
ALT 30 以下  31~50 51以上
γ-GTP 50 以下 51~100 101以上

AST、ALTは、肝細胞が破壊されると数値が上昇します。
数値が高い場合は肝炎、脂肪肝、肝硬変などが疑われます。

γ-GTPは、飲酒により数値が上がるため、飲酒の程度を推測することができます。
数値が高い場合は、アルコール性肝障害、慢性肝炎などが疑われます。
検査値が基準範囲より高い場合は、早めに病院へ行って診察を受けましょう。

肝臓だけじゃない!お酒の飲み過ぎは全身の健康に影響

過度の飲酒は肝臓だけでなく、さまざまな臓器にダメージを与え、全身の健康に影響します。

-飲み過ぎが引き起こす健康リスク-

・肥満から生活習慣病になるリスクが高くなる
・逆流性食道炎、胃炎、胃潰瘍など消化器系にダメージが起きやすい
・慢性すい炎にかかるリスク上昇、6割はアルコールが原因
・糖尿病が悪化するリスクが高くなる
・心臓の負担が増えて、不整脈や心筋炎などになりやすい
・食道がん、大腸がんを引き起こすおそれがある

お酒が原因で病気になると、ドクターストップでお酒を一切飲めなくなることもあります。
大好きなお酒を長く楽しむために、健康を守る正しい飲みかたに変えていきましょう。

知っておこう!お酒の正しい飲みかた

お酒を楽しみながら健康的な人生を過ごすためには、お酒に関する正しい知識を身につけることがとても大切です。健康を考えたお酒の正しい飲みかたを解説していきます。

健康を考えたお酒の飲みかた5つのルール

[ルール1]適量を守ってゆっくり飲みましょう

適量を超えるお酒を飲み続けることは、体に大きな負担がかかります。また、早飲みは酒量が増える大きな原因となります。
お酒の味とその場の雰囲気を楽しんでゆっくり飲むようにしましょう。

[ルール2]お酒は空腹で飲まない

空腹の状態でたくさんのお酒を飲むと、アルコールが胃の粘膜を荒らすうえ、胃がアルコールを吸収する速度が速くなり、急激に酔いがまわってしまいます。「食べながら飲む」のが原則ですが、仕事上のつきあいなどで難しい場合は、飲む前にある程度食べておくようにしましょう。

[ルール3]おつまみは油っこいもの塩辛いものは控えめに

お酒のおつまみに揚げ物や塩辛いものばかり食べていると、エネルギーや塩分のとりすぎになり、肥満や脂肪肝、高血圧などの原因になります。
豆腐などの大豆食品や刺身、野菜、海藻など、良質のたんぱく質やビタミン、ミネラル、食物せんいが豊富なおつまみを食べるようにしましょう。

[ルール4]強いお酒は氷や水で薄めて飲もう

アルコール度数の高いお酒をストレートで飲むと、胃腸に大きな負担がかかり、胃かいようの原因になります。このような飲みかたを繰り返すと口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、食道がんなどの原因になることもあります。
また、強いお酒は少量でも酔いがまわりやすく、体質によっては、急性アルコール中毒の誘因にもなります。氷や水で薄めて飲むようにしましょう。

[ルール5]週に2日はお酒を飲まない休肝日をつくろう

飲酒をしないで肝臓を休ませる休肝日を週に1~2日つくりましょう。お酒を飲まないことで肝臓の負担を軽くし、弱った肝臓を修復します。
休肝日をつくるのがむずかしい人は、お酒の量をいつもより控える日を週に何日かつくるところから始めてみてはいかがでしょうか?

健康にいいおつまみの選びかた

お酒は適量を良いおつまみと一緒にとれば、体の負担は軽くなります。
健康にいいおつまみの選びかたの基本は、高タンパク低脂肪のものをまず選ぶこと。肝臓の機能を向上させるのに役立ちます。
次にビタミンが豊富に含まれているものを選びましょう。アルコールの分解を促進して二日酔いを防いでくれます。

お酒を飲む前に食べるといいおつまみ

■チーズ
チーズに含まれる脂肪分が、胃腸の粘膜を保護する効果があります。
飲酒前に食べておくと、胃壁が荒れるのを防いだり、アルコールの吸収を遅らせたりする効果があります。二日酔いの予防にもなります。

肝臓にいいおつまみ

■アーモンドなどナッツ類
ビタミンEが豊富なため、肝機能の低下を防ぎます。

■豆腐、えだまめなど大豆製品
ビタミンB1と、良質のたんぱく質が、肝細胞を修復再生するのに役立ちます。低カロリーなのもうれしいところ。

■牡蠣、イカ、タコ、ホタテなど魚介類
肝機能を向上させる「タウリン」が豊富に含まれています。

二日酔いを防ぐおつまみ

■サラダなど野菜類
ビタミンC、E、B群などがアルコールの代謝に役立ちます。
食物せんいは、アルコールの吸収を抑えて、急激に酔うのを防ぐ作用があります。
とくにおすすめの野菜は、トマト、ブロッコリー、キャベツ、大根。お酒の合間にトマトジュースを飲むのも効果的です。

■水分
おつまみではありませんが、二日酔いを防ぐために、一番必要なものは「水分」です。
水分は、体内のアルコール濃度を調整できるので、飲む前や飲んだあとも十分にとるようにしましょう。利尿作用の高い緑茶がとくにおすすめです。

飲んだあとに食べるといいもの

■果物
果物に含まれる果糖には、アルコール分解を助ける効果があります。
とくにかんきつ系の果物(グレープフルーツ、オレンジ、みかんなど)がおすすめです。
二日酔いの朝は、コーヒーより、100%果汁のグレープフルーツジュースを飲みましょう。

避けたいおつまみ

■から揚げやフライドポテトなど揚げもの
高カロリーで塩分も多いので、なるべく避けるか、食べても少量にしましょう。

■締めのラーメン
お酒を飲んだあとは、血糖値が下がり空腹感を感じやすいので、締めにラーメンを食べたくなるのは自然なこと。でも、肥満や翌朝の胃もたれの原因にもなるので、ぐっと我慢して下さいね!

ルールを守って楽しいお酒を

お酒と健康のバランスを上手にとる「お酒の正しい飲みかた」について書いてきましたが、いかがでしたか?

-健康を考えたお酒の飲みかた5つのルール-

[1]適量を守ってゆっくり飲みましょう
[2]お酒は空腹で飲まない
[3]おつまみは油っこいもの塩辛いものは控えめに
[4]強いお酒は氷や水で薄めて飲もう
[5]週に2日はお酒を飲まない休肝日をつくろう

今までの飲みかたを変えるのは難しいと思いますが、まずは、出来そうなことから取り組んでみませんか?
5つのルールの中でもっとも大切なのはルール1の適量を守ることです。
自分の体質にあった適量を守って、健康を保ちながら、お酒と上手につきあっていきましょう。

参考URL

(社)アルコール健康医学協会「適正飲酒の10か条」
http://arukenkyo.or.jp/health/proper/index.html

厚生労働省 健康日本21「アルコール3-(3)「節度ある適度な飲酒」について」
http://www1.mhlw.go.jp/topics/kenko21_11/b5.html#A53

健康おきなわ21「純アルコール計算」
http://alc.okinawa.jp/form-alcohol

日本人間ドック学会「2015年人間ドックの現況」P26生活習慣病関連項目の異常頻度 肝機能異常2015年 計33.2%
http://www.ningen-dock.jp/wp/wp-content/uploads/2013/09/2ebf31e708cb165bd2c0b68fae972994.pdf