台風・水害・地震など、もしもの時に備えておくべき「保管・備蓄食」

台風や地震などの災害に備えて、食料の保管や備蓄食を用意していますか?

ちゃんと準備しておかないと、と気になっていても、あまりできていない方が多いのではないですか?

じつは、私自身もその一人でしたが、あるきっかけで、今はしっかり準備をしています。

そのきっかけになったのは、平成30年9月の台風21号による被災です。

私の住む南大阪では、関西空港に高潮が押し寄せ、連絡橋はタンカーが突っ込み走行不能、近隣の道路は電信柱がなぎ倒され、近所の家の屋根瓦は紙のように吹き飛び、倒れたカーポートで車が破壊されるなど、大きな被害に見舞われました。

前日には、テレビのニュースなどで、台風への警戒を呼び掛けていましたが、長く南大阪に住んでいて、台風で大ごとになったことは一度も無かったので、今回もたいしたことはないだろうと、思いこんでいました。

そんな私の甘い考えを打ち砕くように、猛烈な台風が南大阪を直撃したのです。

台風の通過時は、家ごと吹き飛ばされるのではないかという恐怖を感じるほどでした。

そのさなかに電気が消え、それから丸3日間停電が続きました。
ガスと水は使えたので、大変ありがたかったのですが、電気が使えないだけでも、非常に不便で、大きなストレスを感じました。

災害への準備を怠っていたので、食料の備蓄が少ないうえに、コンビニやスーパーが停電で休業したり、開店しても品揃えが少なかったりで、食べるものが無くなるのではという不安が大きかったです。

この台風被害によって、普段から保管・備蓄食を備えておくことが、いかに大切かがわかり、日常生活が戻るとすぐに、万全の準備を行いました。

今回の記事では、私の経験と管理栄養士目線で、台風などの災害時にあると役立つ保管・備蓄食をピックアップしてご紹介します。

まだ、備蓄食の準備ができていない方は、ぜひ参考にして下さいね。

使いながら補充していく『ローリングストック法』で備えるのがおすすめ

保管・備蓄食というと、乾パンやアルファ米、長期保存水など、非常用に作られた特別な食品というイメージがありますね。

私も、以前は、非常用食品を買って保存していましたが、押し入れの奥にしまっているうちに、いつの間にか賞味期限が切れていて、すべて捨てなければならなくなったことがあります。

そこで、おすすめの保存方法が『ローリングストック法』です。

ローリングストック法とは、普段食べているものを、少し多めに買い置きしておき、賞味期限が過ぎないうちに日常食として食べて、使った分を買い足していくことで、一定量の食料を備えておく方法です。

災害時に役立つ!保管・備蓄食を紹介

台風や地震などの自然災害で、多くの家庭に起こりやすいのが停電です。

続いて断水、ガスの停止といった事態も起こる可能性があります。

今回は、停電が起こり、ガスは使えるか、または、カセットコンロを常備していると想定して、おすすめの保管・備蓄食をご紹介します。

備えておく量は、家族の年齢や人数にもよりますが、自宅で3日間過ごせるだけの備蓄品を準備しておくのがベストです。

■必ず準備しておくもの■

まず、はじめに、災害に備えて、これだけは必ず準備しておくべき食料品を5つご紹介します。

① 飲料水

災害時にまず必要となるのが飲料水です。
長期保存水なら5年から10年程度保存することができますが、普通のミネラルウォーターと比べて高価なのが難点です。

飲料水の備蓄は、ローリングストック法で、普通のミネラルウォーターを使いながら補充して備えるのが、経済的でおすすめです。

1人につき1日あたり3Lの水が必要とされます。
4人家族なら、3L×3日間×4人で36Lを準備しておきます。(水2L×6本入りなら3ケース必要)

② レトルトごはん

主食のごはんも必ず準備しておきましょう。
パック入りやレトルトパウチのごはんは、湯煎で温めることができます。

白ごはんだけでなく、赤飯やおかゆもおすすめです。

赤飯はもち米が入っているので腹持ちが良く、小豆の栄養もとれるので、自衛隊の携帯食としても使われているそうです。

レトルトのおかゆは、小さな子供や年配の方でも食べやすいうえに、温めなくても食べられるのが利点です。

非常用食品として販売されているアルファ米なら、水を入れるだけで食べられるので、ガスが使えない場合に備えて、いくつか準備しておくと安心です。

参考商品:尾西食品のアルファ米セット 

③ 缶詰(魚、肉、惣菜など)

主食に合わせておかずになる缶詰も用意しておきます。

さばの味噌煮やさんまの蒲焼など魚類、焼き鳥、つくねなどの肉類、ひじきや切り干しだいこん、きんぴらごぼうなど惣菜類と、缶詰の種類は豊富です。

缶切りを使わずに開けられるものなら、手間がかからず便利ですよ。

④カレー、シチューなどのレトルト食品

ごはんと缶詰など和食ばかりでは、子供や若者は満足できないので、レトルトのカレーやシチューなど洋風のものもいくつか準備しておくといいでしょう。

湯煎が出来ない場合に備えて、温めなくても食べられるカレーもあります

参考商品:温めなくても良いカレー

⑤カップめん

お湯を注げば食べられるカップめんは、料理がままならない停電時に、お腹を満たすものとして役立ちます。

ただし、お湯が無いと作れないので、断水やガス停止に備えて、水とカセットコンロの準備が必須です。

⑥野菜ジュース缶

災害時は、野菜不足になりやすいので、さっと飲める野菜ジュースがあれば、健康を保つのに役立ちます。寒い時期なら、温めれば、スープとして飲むこともできます。

賞味期限が5.5年と長く保存できる野菜ジュース缶も販売されています。

参考商品:カゴメ野菜の保存食

■備えておくと助かるもの■

次に、災害時に簡単にお腹を満たしたり、野菜を摂れたりして、「あってよかった」と思える食料品を5つご紹介します。

①缶入りパン

パンは消費期限が短いので、ローリングストック法で備蓄しておくのは難しいため、常温で長期保存ができる缶入りのパンをおすすめします。

被災後、一番手に入りにくかったのが、パンだったので、缶入りのパンをいくつか備蓄してあったのは、とても助かりました。

参考商品:アキモトのパン

②クラッカー、シリアル

そのまま食べられて、栄養もとれるクラッカーやシリアルは、栄養補給に役立ちます。
普段はシリアルに牛乳をかけますが、そのまま食べても甘くておいしいので、子供は喜んで食べてくれます。

③もち

主食になって腹持ちのいいお餅もおすすめです。
常温保存ができて、未開封なら賞味期限は2年程度です。

お湯で煮るか、冬なら石油ストーブなどの上で焼ければ、災害時でもおいしく食べられます。

お湯や火が無くても、少しの水を垂らすだけで、柔らかいお餅が食べられる「水で戻せるお餅」も非常食として販売されています。

参考商品:水もどりお餅

④インスタントみそ汁、スープ

お湯を注ぐだけですぐに食べられる温かいみそ汁やスープがあると、ほっとして、ストレスが和らぎます。

フリーズドライ製法のものなら、不足がちな野菜をしっかり摂ることもできます。

参考商品:アマノフーズローリングストックBOX(味噌汁入り)

⑤果物の缶詰

フレッシュな果物は、災害時にはなかなか手に入りません。
果物の缶詰があれば、食欲がないときでも食べやすく、甘い果物に癒されます。開ければすぐに食べられるのでとても便利です。

参考商品:はごろものフルーツ缶詰

■不足しやすい栄養の補給や心の栄養になるもの■

次は、必須ではないけれど、災害時に不足する栄養素や心の栄養を補給できる食料品を5つご紹介します。被災の状態が長引く場合に、とても役立ちます。

①粉末青汁

非常時の食事は、米やパンなどの炭水化物がほとんどで、野菜類はどうしても摂りづらくなります

野菜が摂れない状態が続くと、口内炎ができたり、便秘になったりと体調を崩しやすくなります。
粉末青汁は常温で長期保存ができ、水に溶かすだけですぐに飲めるので、野菜不足のときに強い味方になってくれます。

②イオン飲料の粉末

台風による停電で、クーラーなどの空調設備が使えなくなったり、屋外の後片付けをしたりすることで、熱中症になってしまう危険性があります。

粉末のイオン飲料があれば、水に溶かすだけで、ミネラル類が吸収されやすなり、熱中症の予防に役立ちます。

参考商品:ポカリスエットの粉末

③粉末のお茶、水出しできるお茶

水に溶かすだけの粉末のお茶や、水出しできるお茶のティーバックなどもあると便利です。

緑茶は、カテキンが豊富なので免疫力が下がりやすい災害時に、風邪などの感染症予防に効果が期待できます。

参考商品:伊藤園の粉末茶

④ドライフルーツ、ナッツ類

ドライフルーツやナッツ類は、小腹が空いたときのおやつ代わりに最適です。

食物繊維やビタミン、ミネラル類をしっかり補給できるうえに、ドライフルーツの甘みはストレスの緩和にも役立ちます。

参考商品:セブンイレブン「ナッツ&フルーツ」

⑤チョコレート、あめ、ビスケット、せんべいなどお菓子類

子供がいる家庭なら、好きなお菓子も備えておくと、子供の気持ちを和らげたり元気が出るきっかけになったりします。

災害のショックで食欲がわかず、おかゆなどしか受けつけなくなる方もいます。

とくに子供や高齢者はデリケートなので、摂取エネルギー不足にならないように高カロリーで食べやすい、ようかんやチョコレートなどはおすすめです。

ビスケットやようかんなど、非常用食品として長期保存ができるものも販売されています。

参考商品:ビスコのビスケット

参考商品:えいようかん

■家庭によって必ず必要なもの■

最後に、赤ちゃんや食物アレルギーを持つ人、ペットなどがいるご家庭には、必ず備えておくべきものを記しておきます。

●乳児用の粉ミルク、液体ミルク

赤ちゃんがいるご家庭なら、必ず乳児用の粉ミルクを備蓄しておきましょう。
母乳育児であっても、環境の変化で母乳が出なくなる可能性があります。

でも、災害時には、粉ミルクを調乳するためのお湯が手に入るのかという心配があります。

調乳済みですぐに授乳できる液体ミルクがあれば安心ですが、日本のメーカーではまだ販売されていないので、海外製を購入するしかない状況です。

参考商品:明治ほほえみ らくらくミルク

●食物アレルギー用の食品

食物アレルギーを持つ家族がいる場合は、アレルギー用の食品をできれば1週間分、最低でも3日分は用意しておきましょう。

もし、避難所で過ごすことになった場合、アレルギー対応食が十分にあるとは限りません。

ミルクアレルギーの赤ちゃんは、アレルギー対応の粉ミルクも多めにストックしておいて下さい。

参考商品:アルファー食品(食物アレルギー対応食アルファ米)

参考商品:アキモトのパン(安心パン)

●ペットのエサ

犬や猫などのペットを飼っているご家庭は、普段から、ペット用フードを多めに、最低でも1週間分は用意しておいたほうがいいでしょう。

ペットもいつもと違う雰囲気を感じて、食欲が無くなってしまうことがあります。

普段食べているフードや缶詰なら、安心して食べてくれるはずです。

停電したら冷蔵庫の中の食材から食べる!

上記のような、常温で保存できる保管・備蓄食は、災害によりライフラインが停止した時には、非常に役立ちます。

でも、もし停電になった場合は、保管・備蓄食をすぐに食べるのではなく、冷蔵庫にある生鮮食品を優先して食べるようにしましょう。

停電になると、当然冷蔵庫も切れてしまうので、そのまま置いておけば、すぐに食材が傷んで食べられなくなってしまいます。

以前あった北海道地震直後の停電でも、住民のみなさんが、冷蔵庫にあった肉類などを、家の外でバーベキューをして食べる様子がテレビで放映されていました。

停電はいつまで続くかわからず、食料をいつ確保できるかわからないので、保存が効く備蓄食はなるべく残しておいて、冷蔵・冷凍してある食料品から、食べた方がいいと覚えておいて下さいね。

まとめ

台風21号の被災体験をもとに、災害時にあると役立つ保管・備蓄食を紹介しました。

今回、私が体験したのは、たった3日間の停電でしたが、蒸し暑い中でクーラーをつけられない大変さや、電気のない夜の暗さ、まともに食事がとれない大変さなど、改めて電気を使えるありがたさをひしひしと感じました。

停電が解消された時は、本当にホッとして、昼夜を問わず復旧工事をしてくださった見知らぬ作業員の方々に心から感謝しました。

保管・備蓄食をすべて準備するのは、大変だと思いますが、まずは、飲料水だけでも多めにストックしておくことを、強くおすすめします。

また、アルファ米や乾パンなどの非常用食品は、家族で試食してみるのがおすすめです。いきなり非常時に食べようとしても作り方がわからなかったり、乾パンは硬すぎて子供が食べられなかったりということも考えられるからです。

最後に、一度、夜に電気をすべて切って、1時間だけでも停電体験(キャンドルナイト)をしてみて下さい。

ランタンや懐中電灯などを使って過ごしてみると、足りないものや必要なものに気づいたり、家の中の危険な場所がわかったりと、もしもの時に役立つ貴重な経験になるでしょう。

大切なあなたと家族を守るために、保管・備蓄食の準備を始めてみて下さいね。

参考URL

日本気象協会「トクする!防災」ローリングストック法について
https://tokusuru-bosai.jp/stock/stock03.html

参考書籍

・学研「被災ママに学ぶちいさな防災アイデア40」アベナオミ著

・清流出版「かんたん時短、「即食」レシピ もしもごはん」
管理栄養士 日本差が移植学会災害食専門員 今泉マユ子著

・株式会社KADOKAWA「防災ピクニックが子どもを守る!」MAMA-PLUG編・著