トマトの色といえば、「赤」を思い浮かべますが、最近では、緑、黄色、黒色など、変わった色のトマトがあるのを知っていますか?

スーパーなどで見かけた時に、興味を持っても、どう使えばいいのか、どんな味なのかわからないので買うのをためらう人が多いのではないでしょうか。

色とりどりのトマトは、少し料理に添えるだけで、お皿の上がぱっと明るくおしゃれに変身する、便利な食材なんですよ。

今回は、そんなカラフルなトマトの色についてのお話しです。
トマトは、なぜ、赤、緑、黄色、黒色になるのか、それぞれの色によってどんな味や食感、栄養の違いがあるのかをみていきましょう。

さらに、どのトマトがいちばんおいしいのか、実際に食べくらべた結果も最後に発表しますので、お楽しみに!

トマトはなぜ赤くなるの?

そもそもなぜトマトは赤くなるのでしょうか?
成長によって色が化学的に変化するのが理由ですが、進化の過程で赤くなる必要があったともいわれています。

リコピンの作用

トマトの実は、なり始めは緑色をしています。
これは、実の中にある葉緑素の作用によるものです。
葉緑素は、太陽の光で光合成をして、トマトの成長に必要な栄養素を作り出す働きをします。

トマトの実が育ってくると、葉緑素は壊れていくため緑色が消え、代わりにカロテノイドという赤い色のもとが作られます。
トマトが赤くなるのは、カロテノイドの一種であるリコピンの作用によるものです。
こうして、トマトは成長するにつれて赤く色づいていきます。

鳥たちの目につくように

トマトだけでなく、植物の実は熟すと赤くなるものが多いですね。
その理由は、赤い色は遠くからでも目立つため、鳥や動物に見つけられやすいからです。

植物が生きていく場所を広げて、より多くの子孫を繁栄させるためには、鳥や動物に実を食べてもらう必要があります。
鳥や動物は熟した赤い実を見つけて食べると、別の場所でフンをします。
フンと一緒にタネが出されて、新たな場所に芽を出すことができます。

自分では動けない植物が生き残るために、熟した実は赤く目立つ色になったともいわれています。

赤だけじゃない!トマトの色いろいろ

トマトは、世界では8,000種を超える品種があるとされ、日本では120種以上のトマトが品種登録されています。
サイズの大きいものから、大玉トマト、ミディトマト、ミニトマト、マイクロミニトマトとなりますが、それぞれに多くの品種があります。

トマトの色で大きく分けると、赤色、ピンク色、黄色、黒色の4つになります。
緑色は熟していないトマトの色ですが、近年では緑色で完熟という珍しい品種も出てきています。
色ごとのトマトの特徴と代表的な品種について説明します。

赤色

濃い赤色をしたトマトで、皮が厚く、酸味が強いため、主にジュースやトマト缶などの加工用に使われます。
ラグビーボールのような縦長の形をしたものが多く、加熱することで甘みやうまみが引き出されておいしくなります。

代表的な品種:サンマルツァーノ、シシリアンルージュ、イタリアンレッドなど

ピンク色

薄い赤やピンク色のトマトで、皮が薄く、甘みがあるので、サラダなど生で食べるのに向いています。
私たちが店頭で見かける普通の赤いトマトのほとんどは赤色ではなく、ピンク色に分類されます。

代表的な品種:桃太郎、アイコ、ファースト、レッドオーレ

黄色

実の中まで鮮やかな黄色をしているのが特徴です。
酸味が少なく甘みが強いので、生で食べるのに向いています。
ピクルスにすると酢の作用で黄色がいっそう鮮やかになります。

代表的な品種:イエローアイコ、フルーツゴールド、キャロットトマト、イエローオーレ

黒色

果皮が黒みがかった濃い赤色のめずらしいトマトです。
酸味は少なくまろやかな甘みがあり、水気が多くジューシー。
生でも調理してもおいしく食べられます。

代表的な品種:ブラックミディー、ブラックチェリー、パープルロシアンなど

緑色

完熟しても赤くならない品種で、リコピンを含みません。
果肉がしっかりしていて、やや酸味が強めで独特な風味があります。
サルサソースやピクルスなどに向いています。

代表的な品種:グリーンゼブラ、エバーグリーンなど

ほかにも、白、オレンジ、2色混合、しま模様など、カラーバリエーション豊かなトマトがあります。
色によって、味や食感が違うので、それぞれに合った調理法を覚えると、いろいろなトマト料理をよりおいしく楽しめるようになります。

色によって栄養の違いはあるの?

トマトは色によって栄養にも違いはあるのでしょうか?

どの色のトマトも、基本的にはほぼ同じ栄養成分で構成されていますが、色によって含まれている栄養素が少し異なります。

栄養の違いは、トマトの色のもとになる「カロテノイド」や「ポリフェノール」の違いによるものです。

「カロテノイド」とは、動植物に含まれる赤や黄色、オレンジ色の色素のことで、リコピンのほかβ-カロテン、α-カロテンなどがあります。

「ポリフェノール」とは、植物が光合成によって生成する色素や苦味成分のことで、アントシアニンのほか、カテキン、タンニン、フラボノイドなどがあります。

【赤・ピンク色のトマト】リコピンが豊富

一般的な赤いトマトには「リコピン」と呼ばれるカロテノイドの一種が豊富に含まれています。
トマトの赤色は、リコピンに含まれる赤色の色素によるものです。

カロテノイドの中でもリコピンの抗酸化作用は特に強く、ビタミンEの100倍以上になることがわかっています。
抗酸化作用によって、私たちの体が酸化するのを防ぎ、生活習慣病や老化の予防、がん予防が期待できます。
リコピンはトマトが熟して赤くなるほどより多くなります。

【黄色のトマト】β-カロテンとリコピンが豊富

黄色のトマトには、「β-カロテン」が豊富に含まれています。
β-カロテンは、人参やかぼちゃなど緑黄色野菜に含まれる黄色やオレンジ色の色素を持つカロテノイドの一種です。

β-カロテンには、強い抗酸化作用と、皮膚や粘膜を保護する役目もあります。
黄色のトマトに含まれるリコピンは、赤いトマトに含まれるリコピンよりも体内に吸収されやすいといわれています。

【黒色のトマト】アントシアニンとリコピンが豊富

黒色のトマトは、表皮に「アントシアニン」が含まれています。
アントシアニンは、なすやブルーベリーにも含まれるポリフェノールの一種で、視力をサポートするなど目の健康に役立ちます。

リコピンとアントシアニン、2つの強い抗酸化作用のある栄養素を含む黒いトマトは、栄養価の高いスーパーフードとして注目されています。

【緑色のトマト】

緑色のトマトには、色素の成分であるリコピンが含まれていません。
そのため、赤く色づかないのです。

リコピンが無いから栄養が少ないというわけではなく、赤や黄色のトマトにはない「トマチヂン」という成分が含まれています。

トマチヂンは、加齢や運動不足による筋肉の萎縮を抑える作用があり、筋細胞を発達させたり、筋力や筋持久力をアップする効果があるとされています。

トマトに含まれる「カロテノイド」や「ポリフェノール」は、強力な抗酸化作用を持つ栄養素です。
健康や美容を害する活性酸素を除去する働きをもつほか、悪玉コレステロールの増加を防ぎ、動脈硬化や脳血管障害などの予防、発がん物質の活性化を抑制してがんの予防など、多くの健康効果が期待できます。

さらに、どの色のトマトにも、抗酸化作用の高いビタミンA、C、E、高血圧を予防するカリウム、お腹の調子を整える食物せんいなどがバランスよく含まれています。
また、独特の酸味のもとであるクエン酸は胃液の分泌をうながし、消化を助ける働きをします。

トマトはどんな色でも、私たちの健康を助ける栄養価の高い野菜であることは間違いありません。

カラフルトマトを食べ比べてみよう!


最近、よく見かけるようになったカラフルなトマトについて紹介をしてきました。

赤いトマトにはリコピン、黄色のトマトにはβ-カロテン、黒色のトマトにはポリフェノールが含まれていて、どれも抗酸化作用が高く、それぞれ健康効果が違いました。
また、緑のトマトには、トマチヂンが含まれていて、筋力アップが期待できるという意外な事実もわかりました。

では、最後に赤、緑、黄色、黒色の4種類のプチトマトを食べ比べて、どの色のトマトが一番おいしいのかを選んだ結果を発表します。

まず、赤色のトマトは、甘みが強く、皮が薄くて、瑞々しい
食べ慣れたおいしい味です。

緑色のトマトは、肉厚で食べごたえのあるサクサクとした食感
少し酸味がありますが、さっぱりとしてにおいがなく食べやすいです。

黄色のトマトは、赤色よりさっぱりとした甘さで、トマト独特の青臭さがありません
トマトが苦手な子どもでも食べやすそうです。

黒色のトマトは、やや固めの皮をかむと、中からトマトの汁がジュワっと出てきて、とても瑞々しい味わいでした。やや酸味がありますが、甘酸っぱさが爽やかです。

どのトマトも甘くてとってもおいしかったのですが、個人的な好みでは、一番おいしかったのは、黄色のトマトです!
トマトというよりフルーツのようで、パクパクといくつでも食べたくなる味でした。

ヨーロッパでは、昔から「トマトが赤くなると医者が青くなる」といわれたほど、トマトは健康によい野菜として食べられてきました。

おいしくて体に良くて、おしゃれなカラフルトマト。
食べておいしいのはもちろんのこと、目にもおいしい野菜といえるかもしれません。

いろいろな色のトマトを味くらべしながら食べるのは楽しいですよ!
ぜひ、一度食べてみて下さいね。

参考URL

カゴメトマト大学医学部「トマトに含まれるリコピンとは?」
http://www.kagome.co.jp/tomato/tomato-univ/medical/lycopene.html

全国トマト工業会「トマトのちょっといい話」
http://www.japan-tomato.or.jp/knowledge/