健康と美容のために欠かせない野菜。
一日あたり350g以上を食べることが目標とされていますが、忙しい毎日の中で不足なく食べるのは難しいですね。

そんな野菜不足になりがちな人の強い味方が「野菜ジュース」です。
コンビニやスーパーで手軽に買えるうえに、選ぶのに悩んでしまうほど種類も豊富にそろっています。

「1日分の野菜350gがとれる」とうたった野菜ジュースが人気ですが、これを1本飲めば、その日は野菜を食べなくてもいいの?と疑問に思ったことはないですか。

そこで今回は、野菜ジュースには一日に必要な栄養素が含まれているのかを、調べてみました。
すると意外な結果が…!?

野菜ジュースと生野菜の栄養素の違いと野菜不足を解消するための野菜ジュースの正しい活用法も紹介します。

野菜ジュースと生野菜、栄養素の違いは?

野菜ジュースは、製造過程で栄養素が失われるので、飲んでも意味がない…

反対に野菜不足を解消するためには、飲むべきだといわれたり、賛否両論の意見があります。

本当のところはどうなのか?
野菜ジュースと生野菜の栄養素の違いをみて有効なのか、意味がないのかを考えてみます。

野菜ジュースにしても減らない栄養素【野菜ジュース=生野菜】

カリウム

カリウムはバナナ・メロン・アボカドやほうれん草・小松菜などに豊富に含まれています。
ジュースに加工しても、減りにくい栄養素です。

余分なナトリウム(塩分)を体の外へ出す働きにより、血圧を下げて、高血圧を予防する効果があります。

カルシウム、鉄などミネラル類

野菜ジュースに含まれる量は多くはないですが、カルシウムや鉄などのミネラル類も減らさずに摂ることができます。

鉄は、ほうれん草やケールなど葉物野菜に多いです。
貧血気味の人は、緑色の野菜を原料に使ったジュースを飲むのがおすすめです。

ビタミンA(β-カロテン)、ビタミンEなど脂溶性ビタミン

水に溶けず油に溶ける性質を持つ脂溶性ビタミンは、ジュースに加工しても減りにくい栄養素です。

ビタミンAとビタミンEは、どちらも強い抗酸化力を持ち、有害な活性酸素を消して、老化やがんの抑制、動脈硬化の予防が期待できると考えられています。

野菜ジュースにすると効果が高まる栄養素【野菜ジュース>>>生野菜】

リコピン、β-カロテンなどカロテノイド

野菜の色素であるカロテノイドは、生野菜よりも野菜ジュースなどの加工品で摂るほうが、体内への吸収が良くなります。

トマトに豊富なリコピンは吸収率が3.8倍に、人参など緑黄色野菜に豊富なβ-カロテンの吸収率は1.5倍になるという研究もあります。

【野菜ジュース<<<生野菜】野菜ジュースにすると減少する栄養素

不溶性食物繊維

野菜のスジやネバネバなどに含まれる食物繊維には、不溶性の食物繊維と、水溶性の食物繊維の2種類あります。

野菜ジュースを製造する過程で、水に溶けない不溶性食物繊維は搾りかすとして取り除かれます

反対に、水に溶ける水溶性食物繊維は残ります。
市販の野菜ジュースには不溶性食物繊維が充分に含まれていない場合が多いです。

ビタミンC

野菜の栄養素で代表的なものといえるビタミンCは、野菜ジュースにすると大幅に減少します。

ビタミンCは水に溶けやすく、熱に弱いため、洗浄や加熱する過程でその多くは損失してしまいます。
そのため、ビタミンCを人工的に添加した野菜ジュースも多くみられます。

野菜ジュースの「栄養」は劣るが「消化がいい」メリットあり

このように野菜ジュースにすることで効率的に摂れる栄養素もあれば、減少してしまう栄養素もあります。

野菜ジュースが生野菜より優れているのはカロテノイドの吸収率だけなので、栄養面では、やはり野菜ジュースは生野菜より劣ります。

でも、不溶性食物繊維が少ないから、消化吸収が良いというメリットはあります。

かむ力が弱い子供やお年寄りの栄養補給や体調が悪いときの水分補給に大変役立ちます

野菜350g入りジュースは一日に必要な栄養素が含まれているの?

野菜ジュースと生野菜の栄養素の違いを説明しました。

次は、実際に市販されている野菜ジュースには、どれくらいの栄養素が含まれているのかを確認してみます。
今回は、私も普段よく飲んでいる「野菜一日これ一本」を例にします。

カゴメ「野菜一日これ一本」で検証

「野菜一日これ一本」は、350g分30種類の野菜を200mlに濃縮した野菜100%ジュースです。

食塩や砂糖は不使用で、人工的に栄養を添加せず、野菜のブレンドを調整して栄養価を増やすように研究、改良された人気の高い商品です。

350g分の野菜を使っているなら、一日に必要な栄養素も満たしているか?
パッケージの栄養成分と私たちが一日に必要な栄養素の量を比べてみましょう。

「1本200mlあたりの栄養素(一部)」と「一日に必要な栄養素」を比較

カゴメの野菜一日これ一本と、日本人が1日に必要とする栄養素の量「食事摂取基準」を比較して、どれだけの栄養素が摂れるのかを確認します。

カゴメ野菜
1日これ1本
日本人の食事摂取基準
男性18歳以上
日本人の食事摂取基準
女性18歳以上
食物繊維 2.1g 20g 18g
カリウム 700mg 3,000mg以上 2,600mg以上
カルシウム 27~66mg 650~800mg 650mg
0.2~1.8mg 7.0~7.5mg 10.5mg
ビタミンE 2.7mg 6.5mg 6.0mg
β-カロテン
(ビタミンA換算)
約240~1,100μg 850~900μg 650~700μg
ビタミンC(mg) 記載なし 100mg 100mg

(カゴメ「野菜一日これ一本 200mlの栄養成分」。厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要)より)

結論

「野菜ジュース1本で一日に必要な栄養素は満たされない」

野菜から摂取しやすい栄養素について抜粋して比べてみましたが、野菜ジュース1本で一日に必要な栄養素は満たされないことがわかりました。

「野菜一日これ一本」で補給できる一日に必要な栄養素の割合

栄養素 充足率
食物繊維 約10%
カリウム 約20~30%
カルシウム 約4%~10%
約2~30%
ビタミンE 約40~45%
ビタミンA 約40~170%
ビタミンC 0%

野菜ジュースには、多くの野菜が使われていますが、これだけを飲んでいれば野菜を食べなくてもいいというものではありません

でも、カリウムやビタミンE・ビタミンAは多く摂れるため、野菜不足が気になる人は野菜ジュースで栄養補給をする意味は十分にあるといえます。

野菜ジュースの正しい活用法と選び方

野菜ジュースは、上手に利用すれば、野菜や果物の栄養不足を解消できる、健康づくりの強い味方です。

ただし、飲みかたを間違えてカロリーをとり過ぎると、肥満の原因にもなるため、注意が必要です。

野菜ジュースを正しく活用するポイントは、1日コップ1~2杯程度を食事と一緒にとることです。

食事に含まれる栄養素の吸収を野菜ジュースのビタミンやミネラルが助けたり、野菜ジュースだけでは不足する栄養素を食事で補ったりと、相乗効果が高まります。

野菜ジュースの正しい活用法

食事の前か食事と一緒に飲もう

食事のはじめに野菜を食べる「ベジファースト」は、血糖値の上昇をおだやかにして、肥満や糖尿病の予防に役立つ食べ方です。

野菜100%ジュースを食事の10分ほど前に飲んでおけば、ベジファーストになるうえに、小腹が満たされて、食べすぎを防ぐ効果もあります。

野菜を料理したり、ゆっくり食べる時間がないときも、食事に野菜ジュースをプラスすれば、短時間で野菜の栄養が摂れます。

外食で野菜が摂れないときの間食に

外食は野菜不足になりがちですが、とくにラーメンやうどん、丼ぶりものなど、手早く食べられるものほど、野菜がとりづらくなります。
外食が続くときは、その前後の間食として野菜ジュースを飲むと良いでしょう。

お酒のあとに果物入り野菜ジュースを

野菜ジュースに含まれる果糖には、お酒のアルコール分解を助ける作用があります。

飲酒後は、水分補給も兼ねて、果物入りの野菜ジュースを飲むのがおすすめです。
二日酔いの予防にも役立ちます。

夜遅い時間の食事にプラス

遅い時間の晩ごはんは、食べすぎると胃腸に負担がかかります。
消化のよい食事と一緒に野菜ジュースで栄養を補い、ゆっくり休みましょう。

野菜ジュースの選び方

野菜不足解消には、野菜100%ジュースを選ぼう

野菜のみをしっかり摂りたいときやカロリーが気になるときは、野菜100%ジュースを選びましょう。
トマトベースの甘くない野菜ジュースなら、軽く温めて、塩こしょうやレモンを振り、スープ風にすることもできます。

風邪予防や美肌には野菜+果物100%ジュースを選ぼう

果物を食べる機会が少ない人は、果物をミックスした野菜ジュースで補うのも良いでしょう。

果物に含まれるビタミン類などは、風邪の予防や美肌づくりにも効果的です。

ただしカロリーが高めなので飲み過ぎないように気をつけて下さい。

砂糖と食塩が添加されていないものを選ぼう

砂糖で甘みをつけた野菜ジュースは、清涼飲料水と同じです。

栄養成分表示をしっかり確認して、野菜や果物の風味を生かしたジュースを選びましょう。

血圧が高めで塩分制限のある方は、食塩無添加のジュースを選びましょう。

野菜ジュースだけではダメ!基本は野菜をしっかり食べること

野菜ジュースを飲んだら野菜を食べなくてもいいのか、実際に野菜ジュースの栄養成分を検証したところ、野菜ジュースだけでは一日に必要な野菜の栄養はとれないことがわかりました。

日本人の多くは、野菜、果物の摂取量が不足しています。

厚生労働省の平成22年調査によると、野菜の摂取量は平均282g(目標350g)、果物の摂取量が100g未満の人は61.4%(目標量200g)でした。

野菜不足になると、肌あれ・便秘・高血圧・むくみ・肥満・糖尿病など、多くの健康問題が起こる可能性が高くなります。

毎日の食事で野菜をバランスよく摂るように心がけながら、食事で不足した分の野菜や果物を補う目的として、野菜ジュースを上手に活用していきましょう。

参考URL
カゴメ 野菜ジュースのホント!「野菜ジュースに野菜と同じ栄養はあるの?」

http://www.kagome.co.jp/campaign/honto/nutrition/

カゴメ 商品紹介「野菜一日これ一本 200ml」

http://www.kagome.co.jp/products/drink/10048/

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要」

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf

厚生労働省 健康日本21第二次 目標項目一覧(1)-ウ「野菜と果物の摂取量の増加」

http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kenkounippon21/kenkounippon21/mokuhyou05.html